ふるさと納税を利用すると、少額の自己負担で各地の特産品などをもらうことができます。では、iDeCo(個人型確定拠出年金)の積み立てをしている人もふるさと納税を利用し、そのメリットを享受することができるのでしょうか。
日本には、自分の将来に備える制度がいろいろあります。iDeCoもそのうちの一つで、今から少しずつ積み立てながら運用していき、将来受け取る年金型の制度です。税金の優遇があり、上手に利用すれば資産を増やすことができるため、多くの人に利用されているiDeCo。そのメリットや、税金面での優遇について、そしてふるさと納税とiDeCoを併用した場合の影響について解説していきます。
目次
ふるさと納税高還元率返礼品ランキングTOP10
ふるさと納税で注目されるのが返礼品のお得さを表す指標「還元率」です。
還元率とは、寄付額に対する返礼品の通常販売価格(送料含む)の割合を計算したものです。還元率が高いほどお得な返礼品といえます。
ここでは全返礼品の中から、還元率が高いお得な返礼品をランキング形式で発表します。
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ふるさと納税とは
ふるさと納税とは、自分が選んだ自治体に寄付をする仕組みです。毎年多くの人が利用しており、お米やお肉、海鮮など地方の特産品を楽しめる制度です。ふるさと納税には、寄付をすると税金が控除され、自治体からの返礼品がもらえるというメリットがあります。
ふるさと納税の制度や税金控除の仕組みいついて整理しておきましょう。
ふるさと納税の税金控除の仕組み
ふるさと納税を利用して自治体に寄付をすると、寄付合計額のうち2,000円を超える金額が税金から控除されます。
ふるさと納税の控除額は、下記のように所得税からの控除と住民税からの控除の合計額です。
ふるさと納税の税金の控除は、年単位で行われます。1月から12月の寄付合計額を確定申告で申請すると、所得税からの控除分が還付され、住民税からの控除分は翌年に納める住民税からマイナスされます。
所得税と住民税からの控除額を確認しておきましょう。
所得税からの控除額
所得税からの控除額は、次の計算式で算出されます。
※所得税の税率は、課税される所得金額によって決まっています。課税される所得金額が多い人ほど、所得税額が高くなります。
※控除額には上限があります。詳しくは、下記のページでご確認ください。
住民税からの控除額(基本分)
住民税からの控除額は、「基本分」と「特例分」の合計金額です。
住民税からの控除額(基本分)は下記の計算式で算出されます。
住民税からの控除額(特例分)
住民税からの控除額(特例分)は、次の計算式で算出されます。
なお、この金額が住民税の所得割額の2割を超える場合は次の計算式で算出されます。
ふるさと納税で税金の控除を受けるには確定申告での申請が必要ですが、ワンストップ特例という制度を利用すれば、確定申告をしなくても簡単な手続きで税金の控除を受けることができます。申請方法が確定申告であってもワンストップ特例であっても同じ金額の税金が控除されますが、ワンストップ特例の場合は所得税からの控除はなく、住民税から全額が控除されます。
なお、ふるさと納税の控除額には上限があります。上限額(寄付限度額)については、下記のページで詳しく解説していますので、チェックしておきましょう。
iDeCoとは
iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことをいいます。iDeCoとはどのような制度で、利用するとどのようなメリットがあるのか、詳しく解説していきます。
確定拠出年金とは
確定拠出年金は、毎月一定の金額を積み立てて運用していく私的な年金制度で、国内で導入された際には「日本型401k」とよばれて大きな話題を呼びました。
確定拠出年金の制度は、2001年に導入されました。毎月積み立てる(拠出する)金額が確定していることから確定拠出年金とよばれており、積み立てたお金は基本的に60歳になった時に受け取ることができます。一般的な預金や積み立てと比較すると、税金面での優遇がありメリットが大きいことから、多くの人が利用している制度です。
企業型確定拠出年金とは
確定拠出年金には、企業型と個人型があります。
企業型確定拠出年金とは、会社が社員のために導入している確定拠出年金のことをいいます。毎月の掛金は企業が拠出し、それを個人が自分で運用する仕組みになっており、確定拠出年金を行っている会社の社員は全員加入が義務付けられています。掛金は給与と同じタイミングで社員の口座に振り込まれるのが一般的です。なお、企業型確定拠出年金に加入している人が会社を移った場合にも、転職先の企業で継続することができます。
個人型確定拠出年金(iDeCo)とは
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、個人で掛金を供出し、それを運用するタイプの確定拠出年金です。
iDeCoに加入できる人とは?
iDeCoは、次の条件を満たす人が加入できる制度です。
- 満20歳以上60歳未満の国民年金第1号被保険者で、国民年金保険料を納付していること。
- 60歳未満の会社員(国民年金第2号被保険者)で、勤めている会社に企業型年金や企業型確定拠出年金の制度がないこと。
- 60歳未満の会社員(国民年金第2号被保険者)で、企業型確定拠出年金のマッチング拠出(会社が拠出する掛金に追加で個人で拠出すること)をしていないこと。また、会社が個人型確定供出年金の加入を認めていること。
- 60歳未満の公務員(国民年金第2号被保険者)
- 20歳以上60歳未満の国民年金第3号被保険者
iDeCoの拠出金はいくら?
iDeCoの拠出金額は、加入者が自分で決めることになっています。
最低金額は月額5,000円と決められており、上限金額は職業や他に加入している企業年金制度等により異なります。以下の表にまとめてご紹介しますので、自身の上限金額を確認してみましょう。
職業 | 加入している国民年金保険 | iDeCoの掛金上限金額 |
自営業 | 第1号被保険者 | 月額:68,000円 年額:816,000円 |
会社員(企業年金制度がない会社) | 第2号被保険者 | 月額:23,000円 年額:276,000円 |
会社員(企業型確定拠出年金以外の企業年金制度がない会社) | 第2号被保険者 | 月額:20,000円 年額:240,000円 |
会社員(企業型確定拠出年金以外の企業年金制度がある会社) | 第2号被保険者 | 月額:12,000円 年額:144,000円 |
公務員 | 第2号被保険者 | 月額:12,000円 年額:144,000円 |
専業主婦・専業主夫 | 第3号被保険者 | 月額:23,000円 年額:276,000円 |
拠出は、月単位と年単位の好きな方から選ぶことができます。月単位で決めた場合は毎月決まった金額を拠出し、年単位で決めた場合は自分の決めた月にまとめて拠出します。なお、年単位にする場合は専用の届出が必要です。
掛金は年に1回変更できますが、iDeCoで積み立てたお金は60歳になるまで引き出せないため、無理のない金額に設定することをおすすめします。
iDeCoの運用先は?
iDeCoでは、拠出した掛金を自分で運用することになっています。運用先は、定期預金、保険、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式など幅広い商品が用意されており、その中から自分で選んで運用していきます。
iDeCoの商品には、大きく「元本確保型商品」と「元本変動型商品」の2種類があります。
元本確保型商品とは
元本確保型商品とは、金利が変動しても元本を割ることがない(元本が保証される)タイプの金融商品のことをいいます。元本確保型の金融商品は、利幅は小さくも堅実な運用方法として人気があります。
ローリスク・ローリターンのため大きく増やすことは望めませんが、お金が減るリスクがないため安心して利用することができます。定期預金や保険などがそれにあたります。
元本変動型商品とは
元本変動型商品とは、定期預金等と異なり元本が保証されないタイプの金融商品のことをいいます。
元本変動型商品にも、ハイリスク・ハイリターンのものや、ローリスク・ローリターンのものなどいろいろなタイプのものがあり、商品の種類もたくさんあります。自分で好きな物に投資をして運用していきますが、状況によってはリターンが掛金以下になってしまうこともあるため注意が必要です。
iDeCoのメリット
iDeCoには、多くのメリットがあります。
1.掛金のメリット:掛金の全額が所得控除される
iDeCoで毎月積み立てる掛金は、所得控除されます。
所得税や住民税の金額は、1年間の所得金額に一定の税率をかけて算出されますが、その計算の際に所得金額から控除(マイナス)できる項目があり、それを所得控除といいます。たとえば、所得税額は次の計算方法により算出されます。
iDeCoの掛金は1年間の合計金額全額が所得控除の対象になるため、所得税額が安くなります。
2.運用のメリット
株式投資などで得た利益には、税金(20.315%)がかかります。しかし、iDeCoで得た運用益は非課税になるという特典があります。
たとえば運用益が年間5万円の場合、20.135%の税金がかかると手元に残る運用益は39,843円になりますが、iDeCoの場合は非課税のため、5万円をそのまま運用することができます。長い期間をかけて積み立てていくiDeCoでは、将来大きな差になるでしょう。
3.受け取り時のメリット
通常、年金を受給する際には税金がかかりますが、確定拠出年金は所得控除の対象になります。
iDeCoの受給方法は3種類あります。
・年金として何年かかけて受給する
・一部を一時金として受け取り、残りを年金として何年かかけて受給する
それぞれの受給方法における控除金額を確認しておきましょう。
一時金として受給する場合
iDeCoを一時金として受給する場合は、退職所得という扱いになり、退職所得控除の対象になります。受給金額は、次の計算式によって算出されます。
退職所得控除額は、勤続年数によって以下のように算出します。
勤続年数 | 退職所得控除額 |
20年以下 | 退職所得控除額 = 40万円 × 勤続年数 |
20年超 | 退職所得控除額 = 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 – 20年) |
この計算方式では、勤続年数が20年を超えると控除額が格段に大きくなる仕組みになっています。iDeCoの受給方法として最も多いのが、この一時金として受給する方法です。
年金として何年かかけて受給する
iDeCoは、年金として受給することもできます。年金として受給する場合は、一般の年金と同じように雑所得扱いとなり、他の所得と合わせて次の計算式で算出されます。
公的年金等控除額は、以下の計算式で算出されます。
公的年金等の収入金額 | 65歳未満 | 65歳以上 |
130万円未満 | 70万円 | 120万円 |
130万円以上〜330万円未満 | 収入金額 × 25% + 37.5万円 | 120万円 |
330万円以上〜410万円未満 | 収入金額 × 25% + 37.5万円 | 収入金額 × 25% + 37.5万円 |
410万円以上〜770万円未満 | 収入金額 × 15% + 78.5万円 | 収入金額 × 15% + 78.5万円 |
770万円以上 | 収入金額 × 5% + 155.5万円 | 収入金額 × 5% + 155.5万円 |
一部を一時金として受け取り、残りを年金として何年かかけて受給する
一時金としての受給するか、年金としての受給するか選べない人や、両方のメリットを教授したい人は、併用して受給することができます。受給金額や控除額の計算は、それぞれの金額を上記の計算にあてはめると算出されます。
ふるさと納税とiDeCoは併用できる?
ふるさと納税とiDeCoは併用できます。iDeCoの加入者であっても、ふるさと納税の寄付をして税金の控除を受け、ふるさと納税のメリットを享受することができます。
ただし、ふるさと納税とiDeCoを併用すると、iDeCoを利用していない場合と比較してふるさと納税の寄付限度額が低くなります。大きな違いではありませんが、事前に確認しておかないと限度額を超えて寄付をしてしまう可能性があるため、iDeCoの影響も加算したうえで自分の寄付限度額を確認しておきましょう。
iDeCoがふるさと納税に与える影響とは
iDeCoの拠出金は全額所得控除されるため、ふるさと納税の寄付限度額に影響します。
ここで、所得税額の算出方法を再度確認しておきましょう。上述の通り、所得税額は次の計算方法により算出されます。
所得税額は、課税総所得金額(所得金額 – 所得控除)に所定の税率をかけた金額です。iDeCoで掛金を拠出している場合、1年間の合計拠出額が所得控除に追加されます。よって、課税所得金額がその分減り、寄付限度額も下がります。
※所得税の税率は、課税総所得金額によって変わります。
ふるさと納税とiDeCoを併用する際の注意点
上述の通り、ふるさと納税とiDeCoを併用するとふるさと納税の寄付限度額が下がります。では、節税を目的としている場合はふるさと納税とiDeCoのどちらを優先すると良いのでしょうか。
ふるさと納税は、自治体に寄付をした場合にその金額分の税金が控除される仕組みです。寄付金額に応じて自治体からの返礼品も受け取れるためお得な制度ではありますが、節税効果が大きいものではありません。
そのため、節税が目的であればまずは可能な範囲でiDeCoで積み立てをして、残りの金額をふるさと納税に使うのが良いでしょう。
まとめ
この記事では、ふるさと納税とiDeCoの制度について、そしてそれらを併用した場合の影響について解説しました。
ふるさと納税もiDeCoも、上手に利用するとお得な制度ですが、利用する際には損をしないようそれぞれの仕組みについて理解しておく必要があります。シミュレーションなどを利用して、自身の税金額やふるさと納税の寄付限度額等について確認しておきましょう。
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ふるさと納税専門家エリ
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